2019/12/14 - 六甲山に登ったべよ
冬だ!寒い!温泉だ!
…ということで温泉に入りました。
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六甲山経由でな?
お前は何を言ってるんだという人、安心してください。正常です。
まず六甲山と聞いて知らない人はほとんどいないわけですが、なぜ登るかと言うと
「六甲山を超えると温泉があるから」だそうです。ほんと?
別におにゃのこじゃないんですが、初心者にとってはちょうどいいかもってことでこのガイドに沿って歩きます。
電車で行くと1500円なんですが、
なんと山を登ると500円で安くなるのでそのメリットも享受したいなあ、なんて。
1. お昼の石屋川
というわけで早速阪急石屋川駅から登ります。
梅田行きのホームの出口から川沿いにまっすぐ…。
時刻は12:38。想定では3時間後に六甲のてっぺん。
西宮北口からすぐ近くなので、比較的高級住宅街が数多くあります。
\アッ!!!!!!!!!!!!/
青看です。いや~~~~~~~、ほんと高まってくるなあ。
さて、行きましょう。神戸の高みへ。
斜面にすら住宅を作るこの技術力
おなじみらしい、ハイカーの幕だったり色々だったり
12:47になりました。まあそこそこ登ったよね。
ここで100m登るのがしんどい!という方、恐らく辞めた方がいいかもしれません。
ちなみに生活道路でもあり、この地域の主要道路でもあるんですが。
普通にみんな登ってます。神戸人怖い。
4分ぐらいでこの高さへ。
普通にここまで歩くだけでもかなり楽しいのでおすすめ。
これでもまだ住宅街なんだぜ…?
というわけでおなじみの案内板を発見。芦屋市ハイキングコースと呼ばれる道に沿ってこれから進むらしい。
時刻にして12:58です。だいたい20分ぐらいでここまで登りましたが、比較的順調そうです。
この先にある道路を進むと高座の滝、六甲山の頂上に行けます。
さあ、覚悟はいいか!?
2. 山の中へ
公式の駐車場はないんですが、非公式ならばりばりあります。ただし転回スペースがない。
場所さえ違えば撮影者でいっぱいだったろうな道。
この道をとにかくとにかく進むので、視覚的に飽きのこない情景。
第一砂防ダム発見!というよりはまあ治山用のダム。
以前からこの地域には土石流が多かったそうで。
このまま進んでいくんですが、本当に隔世の感がある。
山道特有の放置された建物
何に使うんでしょう。
計測用の機器があるらしいんですが、よくわかりません。
駐車スペース。実質無料。
調べても用途が謎の建物。
マヤカン、有名らしいんですがこっちの方は何だろうと。
夏だとヤブだらけで撮れない砂防ダムくん。
も、モノラック!
みかん畑によくあるやつですが、なんとここにまで現存するとは。
看板シリーズ。機械彫刻から手書きまでの色々が揃っているのも山道ならでは。
ちなみに、この看板のすぐ後ろには茶屋があり、軽い食事などを嗜むこともできます。
今回はジュースと日本酒(!)を購入。
元々あった方の茶屋。すっかり寂れているが、まだお昼ということもあって人の数も多い。
大谷茶屋という名前だったり色々が平成を飛び越して昭和へ。
この時点で13:29。麓からは1時間。
高座の滝
ここを起点にして頂上まではひたすら山登りルートになります。
3. 岩山を超えて
前の茶屋からはひたすら山を登る。
もう早速空けてるんですがそれは。
良い子は真似しないでください。
登山、じゃなくてロッククライミングじゃね?ってツッコミを入れたくなるようなぐらいの岩がゴツゴツ。
ちなみに冒頭で「この時点で~」というのはここが登れない可能性があるのを指します。
実際に登る時はほぼロッククライミングのそれで、上着を着ていてもすぐに暑くなる。
インスタに映えるのか分からないぐらいのゴツゴツ。ナイスゴツゴツとでも評しておくべき。
このゴツゴツに打ち勝つと神戸の町並みが一望できる。
時刻にして14:26で、さっきの茶屋から1時間ほど経過。
これまではゴツゴツとの戦いではあったが、たまにはこの登山道もデレる。
そんなこんなで風吹岩に到達。
14:35なので、今の所はそこそこのペースで進んでいる。、今の所は。
4. もふ!からのエゲツない行路
もっふーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ねこおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんと風吹岩には猫がいました。
もふもふっていいよねー、という具合。15分ぐらいは潰したかもしれない。
ちなみに7ひきものぬこぬこがいました。癒やしすぎてもう帰ってもいいかな…。
鳴き真似をしたらメスの猫ちゃんが来てくれたのでなでなで。
なでるとこれまたにゃ~んと鳴くので心が癒やされていく。
オス猫はびくともしませんでしたが、ちょっとデレかけたのか、
姿勢を変えたりなんか必至にツンデレをしようとしてました。
風吹岩、観光というか猫スポットですねこれ。
ちなみに一度道を間違えて、下りてまた戻ってきての繰り返しで10分を消費。
看板がなく、気づいたら違う道をたどっているのが六甲山。
こんなふうに道が崩落しまくってたり岩を下りるのが正規ルート。わけがわからぬぇ。
ちなみに正規ルートかを判断するには、
コイツしかありません。
GPSも携帯も通じない中、頼れるのは地図かこれだけ。
進めば進むほど、道は過酷になっていく。
恐らくは元々の道があったであろうところも雑踏と風化により削れている。
雨が降ったら恐らく中止だろうなというところ。
道中には水のたまっているところも。
山道は突然雨が降ることもあるため、防寒対策が必須となっている。
案内用の看板もすっかり風化して読めなくなっている。
昔に整備した時はここまで担当の人がわざわざ設置しにきたのかと思うと、
心が痛むばかり。
そんな人間ぽっちをあざ笑うかのように道はより過酷さを増す。
この岩も元々はここにはなく、もっと上の方から運ばれてきたものと思われる。
気づくと山の真っ只中に、自らがいたことを知る。
この時点で15:38である。タイムリミットまで1時間を切るが、未だに山頂が見えない。
そして、ここからが本当の戦いであることを、人間自身との戦いとも知る由も無かった。
5. 雨ヶ峠へ
さてさっきのポイントからお察しの通り、雨ヶ峠をまずは目指す。
ゴルフ場の手前側にある2つのゲートを抜けると、ゴルフ場の敷地の中に入る。
登山者はゴルフ場を突っ切ってはならないので、ゴルフ場の脇にある道を通るのだが。
まあ、こうなるよね。
大規模な乱開発による森林伐採と、滅茶苦茶な地形改変によって山は本来の姿よりも乱暴な状態となって我々を出迎える。
外国人がかつて大規模に開発をしていたが、最近になってやっと落ち着いたそうだ。
更には元々危惧していた通りの雨が降る。
こうなれば体力が続くか否かの勝負となってくる。
延々と続く登道の中、いかに頂上に到達できるかだけを考えて登る。
人間とはいかに愚かであるかを教えられた反面、
山は自然であることでその身を以て優しさと厳しさを伝えられるのだと自覚させられる。
元来、自然の中で生きてきた人間であるからこそ、自然を享受し後世に受け継がなければならない。
延々と続く斜面、そして減る体力。
いつしか雲と同じ高さへ。
!!
いつの間にか雨ヶ峠に到達。
この時点で16:00である。
もうすでに間に合わない事を確信し、また戻る事も許されない状態と化した。
戻れば温泉にも入れず、頂上にも登れないのだ。
そう思いながら登山を続行した。
そして今後は退行が一切許されない、失敗も許されない状況となる。
いつしかこんなところにまで到達してしまったのだ。
新幹線で通ればあっという間に過ぎる光景、1シーンの中に自分がぽつんと存在している。
この広大なフレームの中で、自分がただ一人存在している。
それだけでも十分じゃないか?
ここからじゃ引き返せない。
でも、登りたい。
もしここまでこれているならこの飛び石ですら楽勝だろう。
あとは気持ちの問題なのだ。
紅葉があった、秋があった。
紅葉の絨毯。
どうやら、川を渡った自分の足を綺麗に拭いてくれるようだ。
いつしか、一大スケールの中に自分が存在していることに誇りを持っていた。
そうして歩いてきた事そのものが糧である。いずれ目標に到達するが、それまでは食事中、言わばまだ食尽くしていない。
あー、登るのを食い尽くしてないんじゃなくて、この誇りね?
六甲最高、まさにそのとおりです。
時刻は16:18。日没まであと少し。
6. 治山の証。
まだまだあるんですよ…。
小さい橋を渡って登る
本庄橋跡に到着。
歴史について全く書かれてないことから、この看板を設置した目的は単なる目印の保存のみと思われる。
大きなダムだが、これも立派な治山の証。
橋の跡を渡った(?)後は階段をひたすら登る。
途中には七曲りとの分岐があるが、もう一方は普通の階段。
登った後はなんだかせいせいする。
すでに芦屋川駅よりも最高峰の方が近い。
時刻にして16:23。日没はひたひたとその足を潜めて近づく。
階段を登って暫く歩けば
立派なダムがいる。
本庄堰提と呼ばれる、土石流に対抗するための構造物。
このような銘板から読み取るものが数多く、特に適用基準や諸元を見るだけでも十分の価値がある。
とても良い景色であるが、左端のそれが示すように夕暮れでもある。
なんで世界が平和でありますようにのポストがここにあるんだろうか。
地味に多言語対応。
川を渡れば即ち登山の再開。
7. 刻限の時
夕暮れから夜になる前は一瞬だけ明るい時がある。
それが夜の合図。
登るしのぼる。しかし同じ表情の坂はない。
崩れた後ももちろんある。
さっき通った道がもうこんな高さに。
すでに暗くなりつつあるが、歩みを止めれば即ち暗闇へ征くのみ。
どうやら工事関係者はこちらを通るらしい。
そしてこの山は非常にツンデレである。
何の変哲もないが。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
登りたい。
ガッ
足を上げようとするが上がらない。
あまりにも段差が高く、よじ登ってやっと登れる。
いくらなんでもこの高さはないでしょう。
登った後がこれ。完全にぶつけるかもしれない。
そりゃ登らない人増えるでしょうに。
疲れ切るMancheの図。この登りがきついおかげで後を引く。
時刻にして16:58。もはや日中に間に合わないことを覚悟した。
気づけばすっかり夜である。
気をつけて歩かなければいけない。
例によって橋を渡る。
あともう少し早ければ夕暮れの神戸を見れたかもしれない。
しかしまずは頂上を目指すことを思い出し、しばしこの俗世との別れを楽しむ。
!!!!!!!!!!!!
道の整備度合いが段々と上がっている。
これは頂上か人の気配が近い合図。
あっ!!!!!!!!!!!!!!!!!
登ると石碑があった。つまり頂上はすぐそこ。
…と思ったら入り口がわからずあたふたする始末。
説明に全く記述がないことから、女子向けとか言いつつも玄人向けだの色々ぼつぼつ思いながら周囲を探索。
すると公衆便所の脇に休憩所らしきものがあり、奥に進むと舗装路が。
わかりにくすぎる。
また登るのだが、もうすでに写真が撮れないほど消耗しきっていた。
8. 頂上に到着
時刻にして17:41。六甲山の頂上に到着。
ただ真っ白な風景のみがそこに在る。
どうだ。神戸の100万ドル、いや、100億ドルの夜景は!
苦節にして4時間3分。六甲山を制覇。
9. ep
有馬温泉へは頂上からそのまま下りて、自動車道の脇にある山道を下りなければならない。
即ち、くらい山道を歩くことになる。
…正直、写真撮れんかった。すまん。
と言いたくなるばかりの暗闇と山道で更に身体を酷使。
下りきった頃には18:30となっており、温泉に行く気力が辛うじてあるだけだ。
もはや空いているお店がなく、また温泉も少ないことから
適当に近くのホテルの日帰り温泉に寄ってそのまま帰りましたとさ。
もし六甲山に登るなら、電車で登ってください。
翌日は筋肉痛になって丸一日動けませんでした。